万事、塞翁が馬

人生の幸・不幸は予測しがたい。京都の酒造ベンチャー"FLFS"の「名目上の社長」こと姉崎亮太の平凡な日常の記録。

プリンタを使ってけがきをする

アルミのアングルに63mm間隔で穴を開ける必要があり、けがき作業をした。定規とけがき針でやればいいんだが、自他ともに認める不器用であり、人生でけがき作業が上手にできたことがない。定規を使ってるのに線がまっすぐ引けない事を笑われたことがある。普通の人はゆがまないでまっすぐ線が引けるんだって。

指先で勝負をするよりも機械に頼るべきだろう。メガスターの大平さんが前にツイッター
「けがきはcadの図面を紙に原寸で印刷したものを貼るのが一番早い」
という解説をしてて今回それを試してみた。

手元のプリンタはA4しかできないのでPDF化してコンビニで印刷した。コンビニのコピー機はA3(297*420mm)までだが作りたい部品は450mmなのではみ出てしまう。tan-1(297/420)≒35度。印刷しろが必要だが500mmまではいけそう。

さっそくCADで図面を書き、35度回転させたものをPDF出力、コンビニへダッシュして印刷した。印刷物を測定したら63mm間隔のはずが61mmしかない。多分2mmずれてても大丈夫なんだけどやっぱり気持ち悪いので修正した。

PDF化の影響か、PDFをプリンタが読み込んだ時の変換か、それともインクヘッドの送りなどの機械的なものか、多分全部だろう。3%縮小されるようである。103%に拡大して再度印刷した。
あまりのスペースについでに200mmの四角も書き込んだ。

 

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印刷物を確認したら今度は63mm間隔になっている。200mmの四角は測ったら195mmでやっぱり3%縮小されるようである。

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大平さんは方眼紙を印刷してモアレ法で印刷のゆがみを計測しプログラムで補正しているそうだ。僕の使っているCADソフトはそんな機能ないのでそこまではしない。加工の問題もあるので複雑なものは外注になるし。

これをカットしてダイソーで買ったはがせるノリに貼り付けてけがき作業は完了だ。

最近したしょうもないミス 不動産の賃貸契約書をなくす

銀行(信金)からお金を借りてみようと思って「貸してください」と言ってみたところ、色々と必要な書類があると言われる。

まず審査があり審査用の書類が必要。3年分の決算資料とヒアリングシート、賃貸契約書、その他の金の流れの証拠になるような書類。株などの会社の所有権については登記簿が必要だがそれは銀行サイドで勝手にとるとのこと。

つぎに審査が通ると融資の申込書に印鑑を押すので印鑑証明書が必要になる。という仕組みだそうだ。

"借りてみる(借りれるかどうかの確認とどういう作業が必要か知りたい)"というのが目的で別に急にお金が必要になったわけではない。その旨を伝えて「最低金額を借りたいです」と伝えたら「最低金額は100万円だよ」との事。決算書はその場で渡し「これなら大丈夫ですよ」という内諾を担当者にもらう。

最初の取引は審査プロセスが綿密な分だけ長く待たされる。多額が必要だとか急に必要になったとかそういう場合に備えて最初の一回を済ませておいた方がいいそうである。使わないので借りたお金は1月ほど置いてそのまま返すことになる。金利は無駄になるが、まぁ1000円くらいだしいいや。

問題は、タイトルにもなっている事務所の賃貸契約書をなくしたことである。確か昔、別件で役所の書類か何かを書いたときに添付書類として賃貸契約書の写しが必要で、持ち出したまでは覚えている。それが一年くらい前で、その後ファイルとファイル棚の整理をして、その時にどこかにしまって、それ以後見てない。

賃貸契約書は住所の確認用に割と使われるようである。登記簿だけだとペーパーカンパニーかもしれないからね。

結局ファイル棚にあるファイルを全部チェックする事になってしまった。
社長が片手間で事務処理をしてるようじゃダメなんだな。ちゃんと事務員を雇って書類仕事とその管理がつつがなく行われるようにしないと、というしょうもない教訓を得た。

文書管理という業務は結構難しい。

  1. 法律上保存の義務がある:どこかに放り込んでおけばいい
  2. もう使わない:捨てるべきだが「捨てていい」という判断ができないので結局保存。
  3. よく使う:棚のよく使う場所に置いておく
  4. たまに使う:棚の使わないところに置いておくべきだが、1の中に紛れ込む

保存義務がある書類には経理の領収書や各種契約書、役所からの交付文書などがあり大半が1になる。1が一番量が多い。そこに2と4も混ざりカオスになる。
「どういう書類にどういう法的な意味があるのか(またはないから捨てていいのか)」
「たまに使うが発生するのはどういう書類か」
「その出現頻度に合わせたファイリング」
といった実務上の知識が必要になる。で、これは載ってる本を見たことがないので痛い目見ながら覚えるしかないんだろうなぁ。本社業務(バックオフィス)は自分でやるには難しく、外注できず、人材育成も大変なので経営上のボトルネックになりがち。

なんでボトリングマシンを自作しているのか、それをわざわざブログに書くのか

最近ブログにはarduinoを使ったごく初歩的な電気工作の話ばかり書いているけれど、これにはいくつか理由がある。 このブログは酒造ベンチャーの社長がやっているので「酒造りにかかわる話」を期待している人が呼んでいるのだと思う。検索の上位は「酒造免許」についてだ。そういう人からしたら"モータの制御がうんぬん"なんて
「マジでどうでもいい」 と思う。

わざわざブログに書いているのは趣味ではなく仕事としてちゃんと理由がある。

  1. 酒税法の解説とか企業理念とかではなく具体的な実務を書いて「酒造ベンチャーの社長ってこんなかんじだよー」というのが伝わる。
  2. 開発の記録を残しておかないと後で自分が困る。
  3. 機械の開発を外注に出す場合、注文主である自分がどれくらいテクノロジーを理解しているかがわかるようにしないと外注先が困る.
  4. 同業者等に「これいいですね。どうやって作ったんですか?」って聞かれたときに「ブログに書いてある」と言える。 といったところである。

酒税法の解説とか企業理念とかではなく具体的な実務を書いて「酒造ベンチャーの社長ってこんなかんじだよー」というのが伝わる。

HPおよびブログを書いているのはフルーツリキュールフリークスというのがどういうことをやっているのかをディスクロージャー(公開)していく事が目的だ。誰が、いつ、どこで、なにをしているのか、といった5W1Hをなるべく公開している。
それはお客さんからしたら口に入れるものだからなるべく知りたいだろうし、マスコミの人間からすれば「ここは取材したらなんかネタがあるだろう」ってなるし、ベンチャー企業希望者からしたら「こいつのブログ参考になるし、なんならあって詳しい話を聞きたい」あるいは「ネットサロンに参加しよう」という風になる(事もある)。
発信した情報が何を引き起こすかは誰に届いたかによって決まって、お客さんなのかマスコミなのかベンチャー希望者なのかはこっちからはわからないが、受けとった人のうちの何割かは何がしかの反応をしてくれる。作ってるだけじゃ商売にならないので他者が何かしてくれてはじめて売り上げになる。
うちがちょっと変わってるとしたら「起業希望者に役に立ちそうな情報を書いてる」という点で、見学に来た人は何がしか買っていってくれるし、サロンの会員になってくれるので大事にしている。わざわざライバル増やすようなことを普通はしないが、酒の会社なんていくらでもあるからさ。

開発の記録を残しておかないと後で自分が困る。

電子回路は衝撃や水や雷に弱いし、稼働部品がある機械はメンテをしたとしても摩耗するので絶対にいつか壊れる。使っているときに「こここうしたい」という改善点も出てくる。「今作ってる機械は完成後も改修作業がある」と考えている。改修作業に取り掛かった時に 「これどうなってたっけ?」 「なんでこうしてるんだっけ?」 となると時間を浪費するのは明らかなので、記録を書いておく必要がある。

機械の開発を外注に出す場合、注文主である自分がどれくらいテクノロジーを理解しているかがわかるようにしないと外注先が困る。

僕にできるのは初歩的なことだけなので、より本格的な機械化・自動化をする場合は専門家の力を借りることになる。その時に「今使っているのがどういうものなのか」とか「何を求めているのか」が相手に伝わらないと仕事にならない。

同業者等に「これいいですね。どうやって作ったんですか?」って聞かれたときに「ブログに書いてある」と言える。

"問い合わせに応対する"という業務は意外と時間を食うんである。しかも金にならない。
とはいえ、返事しないというのも感じが悪い。 詳しい資料とかよくある質問とかはまとめておくと、問い合わせがあった時にアドレス示せばいいだけなので非常に楽なのである。

といった理由からこういうブログを書いているのである。

pwmとタイマー割込みについての続き

PWMを使ってみた

arduinoのPWMとタイマー割込みの関係がまだよくわかってない。

とりあえず昨日調べたときの疑問点の「タイマーとPWMが同時に使えないのはわかったが、同じタイマーの2つのPWMを同時に使うことは可能か?」というの実験した結果だ「大丈夫」だった。タイマーとPWMの同時利用はできないが、PWMの同時利用はできるという理由はわからないが、やってればそのうちわかるだろう、きっと。

とりあえず「PWMのピンが足りないかもしれない」という問題は解決したので、設計は見直さずarduino megaで行こうと思う(センサーも含めてI2Cで制御した方がよさそうだけど、I2Cよくわかんないからいいや)。

インターフェイスを作るかも検討課題ではあるが、わざわざボタン何個かくらいのコントローラを作るのも面倒だし、PS4のコントローラを付けれるようにするにはUSBシールドが必要でピン配置を考えないといけないし、スマホから操作するやつを使うにはwifiが必要なので、やっぱり面倒だ。 とりあえず開発用のノートを横に置いてシリアル通信で動かそうと思う。後にラズパイとコントローラまたはテンキーに置き換える予定。

MsTimer2を使ってみた。

サンプルスケッチを試してみた

void flash() {
  static boolean output = HIGH;

  digitalWrite(LED_BUILTIN, output);//LEDを13から変更
  output = !output;
}

void setup() {
  pinMode(LED_BUILTIN, OUTPUT);

  MsTimer2::set(500, flash); // 500msごとにオンオフ
  MsTimer2::start();
}

void loop() {
  // loopは空
}

loopが空っぽなのにチカチカ繰り返すから不思議だ。割込み処理はメインのプログラムとは別でMsTimer2::start();からMsTimer2::stop();でとめるまで繰り返す。割込みでやらせたい処理はflash()のように関数にしておかないといけない。やった事ないことばっかりだ。

arruino mega のタイマー割込みについて調べる。

開発日記

ボトリング(瓶詰め)を自動化するにあたって「arduino mega を使って複数のモータを同時に稼働させてON/OFFや速度をバラバラに制御したい」のだが、こういう複数を同時に動かす作例が入門書には載っていない。調べてみると"タイマー割込み"という機能を使うとできるらしい。色々試してみているのだが腹にストンと落ちない感じでてこずっている。 部分的に動くからと言って全体で動いてくれるかというとそれは別の問題だったり。
ボトリングマシンにはDCモータ5つとステッピングモータ1つの合計6つPWMを使用する予定で、megaにはpwmのピンが15あるので余裕だと思ってたんだがそうでもないようだ。同じタイマーの複数のピンのPWMを動かせるのか?モータ数減らすべきか?
あるいはarduino uno や arduino pro miniを複数個つないでマスターとスレーブにする設計に変えるべきか。ちょっと悩んでいる。いや、ホント言うとESP8266を使ったarduino unoのコピー品のWemosD1をマスターにしてその上にslaveのunoを積んでいく構成にしたらwifi使えてスマホから操作できて便利だよな、とは思ってる。

備忘録

arruinoの頭脳であるavrマイコンにはタイマーがあり、それを使った「タイマー割込み」という機能が実装されている。それを使うと指定の時間が来たら動いて何秒かたったら止まるというプログラムが組める(らしい)。

arduinoでそれを使うにはタイマーライブラリをインクルードすればいいわけだが、このタイマーはPWMの制御にも使っているので「タイマーを使うかPWMを使うかを場合によっては選ばないといけない」との事である。

PWMのピンにはそれぞれ対応するタイマーがあり、そのタイマーを使うプログラムを動かしているときはPWMが使えない普通のピンになる。 Timer2を使うライブラリが人気があるようだ。 ただこれを使うとtone()が使えなくなる。"終了時にブザー鳴らす"というのがしたかったんだがな。いやー、なかなか難しい。

検索したところ2010年から13年くらいのブログが多くヒットした。2015以後はほぼない。すでに克服された過去の話題なのかな?ありがたいことだ。枯れた技術は初心者に優しい。 arduino unoについてはいっぱいヒットするがmegaはあまりヒットしない。ベースになってるunoの出来がいいので機能拡張版の需要が少ないのかも。

arduinoなら知識無くても適当につないだら動く」「arduino megaならピン多いし特に考えなくて大丈夫だろう」と思っていたがそういうわけではなく、ピンアサインは内部構造の制約を元に考えないといけないみたい。 そらそうか。マシンのスペックをフルに使いたいと思うなら理解が必要だわね。

リンク

主要なAVRマイコンでは、Timer0、Timer1、Timer2の3つのタイマーがある。これらのハードウェアのタイマーを利用し、一定時間ごとにある関数を「割り込み(interrupt)」で呼び出すことをArduinoのタイマー系ライブラリは実現している。 https://miso-engine.hatenablog.com/entry/2015/07/20/221014

MsTimer2を使うとtone( )関数が利用できません、また13番ピンと11番ピンからのPWM出力(analogWrite( )関数)もできません。 http://www.geocities.jp/zattouka/GarageHouse/micon/Arduino/TIMERtoLED/TIMERtoLED.htm

このMsTimer2というライブラリがarduino mega 2560に対応していないが、ライブラリを書き換えると使えるとの事。 [arduino]Arduino Mega ADK or Arduino Megaでタイマ割り込みを使う http://mironal-memo.blogspot.com/2012/02/arduinoarduino-mega-adk-or-arduino-mega.html

Timer1、3を使ったライブラリもある。 http://megalodon.jp/2015-0721-0425-17/miso-engine.hatenablog.com/entry/2015/07/20/221014

arduino mega はタイマーが0-5の6つあるそうだ。それぞれのピン配置と関数についても書いてくれていて非常に助かる。 https://tomixrm.wordpress.com/2017/08/24/arduino-mega%E3%81%AE%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%BC%E6%83%85%E5%A0%B1/

timer0はシステムが使用していて、これをいじってしまうとdelay()関数の待つ時間がずれます。 またtimer0,2は8bit timerで残りの1,3,4,5は16bit timerです。8bit timerでは精度が低くて、しっかりしたモーター用のPWMを出すには適しません。 timer5は後述するservoライブラリを使うと使用されてしまうために使えなくなります。 よってまともに使えるPWMはtimer1,3,4の8本のPWMになります。これらは自由にDuty比を変更することがありますが、周期を変更する場合は注意が必要です。 https://qiita.com/eri_aka/items/68981b6e695e6f4468ff

タイマー0はシステムで使っているのでPWMの「デューティー比がちょいと高めに出る」とのこと。 http://www.musashinodenpa.com/arduino/ref/index.php?f=0&pos=2153

メイン側と割り込み関数側で共用する変数は、「volatile」属性というものを付けて宣言する必要が あります。 http://nekosan0.bake-neko.net/library_timer.html

Timer機能全般に関する解説。 https://qiita.com/suzukinori/items/939cc9f49e535c4eadd7

ボトリングマシンの改修に取り掛かる。

作った後ほったらかしにしていたボトリングマシンの回収作業に取り掛かった。半年ぶりくらいにarduinoを触る。トラブル続出である。

久しぶりに事務所を大掃除して机を買った。これでデスクが2つになったので、1つにデスクトップPCをのせて事務用に、もう1つにノートPCをおいて開発用に分けた。デスクトップを事務兼開発で使ってたんだがそれじゃ机がちらかってしょうがなくて、はんだごて他道具を広げれるスペースがなかったので仕方ない。1日半かけてどうにかこうにか形になった。

作業スペースもできたしとさっそくノートPCでボトリングマシンのスケッチを修正しだしたんだが、なぜかarduinoに書き込めないという問題が生じた。

原因を調べるのに1日かかって
・ノートのarduinoIEDが上手く動いてない。不安定。
arduino unoのコピー品が壊れている
の2つが発生していたことが分かった。結局デスクトップで別のarduinoをつないだら動いたのでデスクトップのある事務用の机の方で開発をしている。
この3日間なんだったんだろうか。

前途多難である。

竹中平蔵の本を読んだよ

竹中平蔵氏の本を読んだよ。

 Twitterを見てて竹中平蔵の悪口がTLに何日か並んでた。「派遣を搾取してるのはパソナだ」とか。僕のTLで竹中平蔵を褒めてたり擁護してる人を見たことがない。その状況を見て「竹中平蔵について学ばないといけない」と思った。

竹中平蔵=悪”と思いこんだ人が会ったこともない竹中平蔵の悪口をTwitterに書く。それを同じ考えの人がこぞってRTして悪口が日常的に流れてくる。主観的に解釈された情報がふんだんに流れてくる。それは戦時中のプロパガンダと同じようなもので、意識的に情報を精査しないと自分の認識が歪ませる。それを避けたい。

”鬼畜米英”と政府が宣伝するからってアメリカやイギリスが鬼畜とは限らない。その判断は自分ですることだ。国内向けの宣伝と実態のギャップについてはW杯見てる人はわかるでしょ?「TVキャスターが言うほど日本の選手すごくないよね、視聴率のために盛り上げてるだけでしょ」って。

その人物について「善悪」「自身の利益になるならない」「歴史的意味合い」などを評価するには本人の書いている本を読むのが良い。たまたま目についたこれを選んだ。今後も何冊か読んだ上で評価するつもり。

好きか嫌いかを語る以前の問題として竹中の本はみんな読まないといけない、というのが僕の認識だ。新自由主義の時代は終わってファシズムの時代が始まった。上げ潮派理論武装はピケティに否定された。そういう意味で論客としての竹中平蔵の時代はもう終わった。だからきちんと整理しないといけない。良い点と悪い点を整理して次の時代に良い点を生かさないといけない。

以下、この本および著者についてのメモ。

竹中式イノベーション仕事術 「楽では生きられない日本」で戦う12の力

  1. 本の評価:割といい本
  2. 竹中氏の現代社会への認識:妥当
  3. 竹中氏について:ちょっと変な人
  4. 働き方について:モダン

1.割といい本
副題の通り仕事楽では生きられない日本・12の力の3つの要素でできてる。
古典力・イノベーション力とか12の要素に各章が当てられ解説と改善のためのアドバイスが載ってる。妥当な内容が端的にまとまってるので本としてよくできてる。大学の先生なので念頭に置いている読者は学生(慶応の)だろう。誰が読んでも「何も得るものがない」という事にはならない。半面、読みやすいいい本だけど名著ってほどでもない。1つ1つの説明が簡略化されてる分だけ深さはないから。

2.竹中氏の現代社会への認識
前提になってる楽では生きられない日本というのがこの本のキー。
・資本主義社会で競争を避けて生きることはできない。
・日米欧に中国やインドの新興大国が競争に加わる。競争の激化は避けられない。
・経済活動は人間によって行われているので「その人がどういう人間か」はどんな時代になっても大事。
・競争に敗れて下層階級に落ちていく人間と踏みとどまったり勝ち残る人間の2つに分かれていく。
・その人がどういう力をもっているのかがそのまま社会の階級になる。

この認識は妥当であろう。

3.竹中氏個人のについて
この人は分析が好き物事を分割するのが好き
前の勉強法の本ではマトリクスに分類した。この本では人間の力を12に分ける。12ってのは多い。物事を場合分けして考える場合、普通は3つか4つ、多くて7。ドラクエだって「ちから・たいりょく・すばやさ・かしこさ・うん」の5要素だ。12になったのは4つに分けた後、さらに3つに割ってるんだろう。2回もやってるあたり分割好きなんだろう。

ゲーム中に敵のプロパティを開いてパラメータ確認してどう戦う(HP低いなら叩く・固いなら魔法)か決めるように竹中氏は人の12のパラメータを確認して付き合う人間を決めてるのだろう。

4.働き方について
この竹中的世界観に「一つの会社に定年まで勤めるという生き方」「一度雇った社員は定年まで面倒を見るという会社」という世界観は共存しない。

会社は目的に合わせたメンバーで一時的に組まれたパーティに過ぎない。目的が達成されたらパーティは解散する。労働者は別のパーティを探す。必要とされれば見つかるし、見つからないなら落ちぶれる。それは自己責任。自分の腕を磨きましょ、という世界観だ。

マーケットメカニズムが世界観を前者から後者に変えていくのは必然。今後日本型経営の企業は没落する。人材の流動化が起こるので人材派遣業は特需。君たち(慶応の学生)はそんなのに構わず多国籍企業に行ってワールドワイドに活躍しろ、という基本方針だ。

大学を出る、就職、大学院、研究職、就職、博士号の取得、転職、といった流れで村人が戦士や魔法使い・上級職を経て勇者になるといったDQ6的なキャリア設計を読者や学生に勧めていて何より本人がそれを行ってる。それをするかしないかは自由で、しないなら落ちぶれる(パソナで働く)。

竹中氏は学者じゃなくて実務家で、そして博士号を持ってる。「局長以上に出世するなら当該分野の博士号が必要」というのは世界共通のルールで最近は中国ですら導入してる。「これからの時代は学士じゃ相手にされない、博士号が必須」と認識して銀行辞めて大学戻ることをこの世代で選択した人は少ないだろう。

竹中氏が成功した理由は日本で数少ない博士号を持ってる実務家だったからで、先見の明があったのは確か。
現代の(中流以上の)若者にとっては氏の生き方の方がモデルだろう。