万事、塞翁が馬

人生の幸・不幸は予測しがたい。最後に立っていたやつが勝ちさ。京都で酒造ベンチャーをやっているよ。

「酒で起業したい」という相談を受けたときの話

「ブログを見て酒造りで起業したいんですけど相談に乗ってもらえませんか?」

という依頼が最近多い。毎年、春に多い。似たような話を何回もするのも疲れるので、ここにあらかじめ書いておきます。

 

クラウドファンディングを活用して需要先行で在庫を持たないリスクのない形でやりたい」
という風に皆さんおっしゃります。それでおおざっぱな事業計画を考えるという事になります。

おおざっぱな事業計画は実際にやるときには何の役にも立ったないのでスパッと忘れて目の前のことに取り組んでいく事が大事だ。とはいえ、役所から補助金もらうにしろ、銀行から金借りるにしろ青写真は用意しておかないと相手にされない。

クラウドファンディングは大ホームランで100万円、ホームランで50万、一般の人ならヒットで30万、無名の学生なら10万円を目安と考えている。

募集期間が2か月、クラウドファンディング会社の手数料が20%、として1回30万円を年4回実施するとすると、初年度の年商は120万円になる。

そのうち24万円が手数料になる。客単価5000円として240件とすると送料が1件1000円として24万円。この2つの出費は避けられない(販管費というやつである)。
これらを引いた72万円が手元に残るお金だ。

HP製作に30万円、ラベルデザインに5万円、酒販免許の取得に3万円かかるとして残りが39万円。
39万円で250本の生産は酒税が度数で変わったり、ボトルの種類にもよるけどできなくはないかな。トントンくらいだと思う。

今回の相談は農家さんが"加工食品をやりたい"という話だったので、農家向けの補助金が使えるはずだ。年商120万円、経費120万円、利益0のプロジェクトに対して多分経費の1/2か2/3が補助される。
補助金分がまるまる利益になり80万円の黒字になる。

というわけで
年商:120
販管費:81
製造原価:39

------------------------------
営業利益:0
特別利益(補助金):80
------------------------------
純利益:80

てな感じじゃないでしょうか。

この年商120万、経費補助率2/3という見込みはかなりベストに近いので実際は売上は半分もいけばいいところだと思う。その場合は赤字になるが数十万に収まるだろう。

農家向けの補助金は充実してるし採択率も高いので当てにはなる。大赤字になるという事は無いだろうが、1年あれやこれやと大騒ぎして80万くらいの話だったら
「牛丼屋でバイトした方がもらえるよね」
という話になるので、
クラウドファンディングだけで生計を立てるのは無理だよ」
という結論になる。

みんな”クラウドファンディングさえ目標額に達成すれば成功が保証されている!”と思いすぎである。

実際には需要先行のクラウドファンディングだけでは生計が立たないのだから、それプラスしてネット通販、イベント出店、酒屋での販売などの販路拡大が必要だし、在庫をある程度抱える必要も出てくる。

酒は許認可が絡むので色々とややこしい事が多いけど、クラウドファンディングはあくまでも"全体の計画"の中のテストベッド(Bテスト)くらいでしかないですよ、というようなアドバイスになる。

"全体の計画"というのに何を考えてどういう風にやるのか、というのが商売人としての才覚・商売の肝ということになる。

ビジネス誌からの取材の依頼が来た

HPのメールフォームに雑誌からのインタビュー依頼が来た。起業したい人向けの雑誌で小資金で小規模な起業をした人の特集をするんやて。

「確かにうちよりも小資金で設立した酒造ベンチャーはないだろうからうってつけだろうけど、あれだぜ、金ってのはあればあるだけいいんだぜ」

と微妙な気持ちになる。

インタビューの質問もいっしょに来てて

略歴・プロフィールとかビジネスモデル、起業前後の話はいいとして

  • 独立後のやりがいや喜び
  • 今後実現していきたいこと
  • 起業する際に気をつけるべきポイント、ご本人の経験を含めたアドバイス
  • 諦めてしまう人に向けて、経験を含めたアドバイス
  • これから独立を目指す読者たちに向け、独立の先輩としてメッセージを。

え!?ないよそんなの・・・。なんか当日までに考えないと。

 

俺からは「金を配る」という発想は出てこない。貧乏が染みついている

ZOZOの社長さんの1億円お年玉企画はなかなか面白いイベントで2019年のトピックの1つになるだろう。

感想としては
1.年間の広告費が多分1億円で「もっと効果的にフォロワー数増やす方法ないか?」って考えたんだろう。
2.景品表示法違反になりかねないので「個人的に」という文言を入れた。
3.Twitterの規約に違反するのでアカバンされる可能性があるが大口広告主だから大丈夫だろう。
4.結婚が近いのでは?「金持ちと結婚した女」というイメージがつくと損なのでイメージアップする必要があった。
というような事が背景にあるんじゃないかな、というものである。zozoスーツのイメージ悪化の分は取りかえしただろう。創業者社長の大胆さは良し悪しである。

TwitterのRTから抽選するのはAPIなどの技術的な工夫が必要らしいので酒の勢いで思い付きでやったって感じではなさそう。でも本職のプログラマーなら3時間くらいで作れそうではある。「社内で技術的検討をしてクリアしてから実施」「社長が思い付きでやってプログラマーが頑張った」のどっちもありそうだ。

下品だという意見もある、これで増えたフォロワーは乞食ばっかりだから客層悪いというのもある。それはその通りだと思う。だけど「金払いがいい」というのは決して悪いことじゃない。少なくとも赤の他人に1億円出す人は脱税するとか小金儲けるためにヤクザとかかわる可能性は低い。
自分のクリーンさを世間にアピールする、自分の知名度やイメージを上げる・広めるという点で「金を配る」というのは合理的だし、大昔からされてることである。ツイートがバズった結果ZOZOの株価が上がったそうだけど「社長がクレバーで大胆な行動力があるならプラスに評価される」というのも当然のことだと思う(株価なんてあてならんけどね)。
そういう意味では1億とは言わなくてもこれを真似する人は今後どんどん出てくるだろう。評価経済・ネットサロン界隈ならこの費用対効果の高さは無視できないはずだ。金が惜しい人以外はやるだろう。

金持ちが慈善事業に取り組むというのも別に珍しい現象じゃない。
ただしいて言うなら研究費のない大学院に配るとか貧困対策とかもうちょっと目的をもってやって欲しいと思ったし、寄付金控除の対象になるような仕組みでできるはずなんだけど、そういう「合理性・効率性」を考えるのは僕がケチ臭い人間だからだろう。このクラスの金持ちからすると1億くらいはした金なんだろうなあ、という意識の違いを感じた。

勝負所でバーンと金使えるというのは成功者には必要な素質だし、今までもそのくらいの勝負はいくらでもやってきたんだろう。一代で上場企業作る人はやっぱ傑物だよ。

ELECROWのオフィシャルストアは出荷が早い

aliexpressで電子部品を買う。注文から到着までに時間がかかるケースと思ったより早いケースがある。

1.郵便か小包か
国際郵便は簡易通関だから税関で止まってることがないし便数が多い。小包は倉庫でためて一定数たまってからの出荷になってるようだ。"国内集積場"から"輸出しました"になかなかならない。税関で3日くらい止る。

2.販売者の仕事が早いか遅いか
注文から出荷までのタイムラグは「その会社が仕事早いか遅いか」「仕入タイミングや在庫の有無」で変わるみたい。

ELLECROWのオフィシャルショップは早い。
Buy Products Online from China Wholesalers at Aliexpress.com

arduinoのコピー品とかの出荷が早い店を押さえておく、それ以外はELLECROWの商品を買えばいいかも。

3.日本と中国じゃ連休が違う
クリスマスくらいに注文しておくと正月休みあけに届くのでいい感じ。

まぁ別に遅くても気にならないけどね。必要な部品に関しては多めに買って在庫してるし。でも早いに越したことない。新しい部品は在庫を多めに買う前に少量入れてテストしないとだし。

LINEのカスタマーサポートがかなりクソで困る。AI自動応答役に立たない説

1.LINE payカードはプリペイド式だ。入金は面倒だが不正利用されてもダメージが少ない。よって中国の会社から何か取り寄せるときに使っている。本人確認をしないと月額利用料に制限がかかるので本人確認済みだ。

2.LINE payの20%ポイントバックキャンペーンというのを知り、やってみようと思った。

3.パスワードを入れろと出る。設定した覚えがない。

4.「まええわ。リセットしたらしまいや」と思うがパスワードリセットの仕方がわからない。

5.自分が入れそうなパスワードを試す。規定回数失敗してロックされる

6.LINE payカードが使えないことに気づく。仕事に差し障る

7.パスワードリセットと凍結解除のやり方を調べる。
ググる、設定を片っ端から開くなどするが出てこない。「パスワードを忘れたときは・・・」はある。何の参考にもならない。

8.問い合わせを開く。lineアカウントをお友達登録してトークで聞いてね、速攻登録して「凍結解除とパスワードリセット」と入れる
「パスワードを忘れたときは・・・」がサジェストで出る。

9.オペレータをチャットで呼び出す。10:37。
「大変込み合っています。お待ちください」の後、全く反応がない。

10.メール問い合わせにメール。
自動返信「パスワードを忘れたときは・・・」がサジェストで出る。

11.メール本文「大変込み合っており4.5日お待ちください」

12.チャットの番がきたのが14:34。ラインが来てたが気づかなかった。
「恐れ入ります。お待ちしておりましたがお返事がないようですので自動応答に代わらせていただきます。本日はお問い合わせいただいたにも関わらず大変申し訳ございません。
お手数をおかけいたしますが、現在も問題が発生している場合は、ご都合の良い時に再度お問い合わせください。」14:50
勝手に終了されてる。

13.アンケートが表示される。「今回の対応は満足いただけましたか?」

14.4日たちメールが届く
「内容を確認し改めてご連絡いたします」

 

というようなことがあり、まだ解決していません。

 追記:
もう一度チャットサポートに問い合わせ。10時から受付なので時報を確認し10時ちょうどに入力。3分程度の待ち時間でつながる。
状況の説明とパスワードリセットをしたいとオペレータに伝えたところ
「現在対応中です。対応完了したらメールでお知らせします」
「10日程度かかります」
との返答。”パスワードリセットに10日かかるシステムがこの世に存在する”という知識を得る。

ボトリングマシンの設計を見直す

ボトリングマシンのポンプを制御しているコントロールユニットにはモータドライバシールド3枚をarduino megaに3階建てにして使ってたんだが、「配線がモジャる」という問題があった。

最初は好調だったんだが途中でなぜか3番モータが動かなくなって、多分どっかの配線が外れたのか切れたのかだと思うんだが、特定のためのチェックがめんどくさく、全部引っこ抜いてつなぎなおすのもめんどくさい。設計を見直す潮時だと判断してアレコレ対策を考えた。

ポンプはこのままでOKだし、モータドライバシールド、電源回路なども特に問題はない。概念実証、部品の試験は合格だ。あとは耐久性のチェックとメンテナンスの簡略化が必要だ。

改善点としては
1.ポンプの同時稼働時に発生する振動の抑制
→パーツの加工精度を上げて隙間をなくす。ダンパを入れる。
2.コントロールユニットの配線の単純化
→モータドライバシールドにそれぞれarduino unoを付ける(ポンプモジュール化)。マスターのarduino uno(ステッピングモータの制御も兼任)からのシグナルでpumpを動かす。

といったところだ。

1はおいおいとして、2から取り組む。そのためにaliexpressでarduino uno R3のコピー品を買ったんだが、こいつが動かない。電源も入るしリセットもかかるのにPCが認識しない。
調べたら「廉価版のチャイナコピーに使ってるusb通信のチップがオリジナルと違うのでドライバが必要」とのこと。

さっそくインストールしたんだが、動きゃしない。前途多難だ(正規品替えよ!)。

 

プリンタを使ってけがきをする

アルミのアングルに63mm間隔で穴を開ける必要があり、けがき作業をした。定規とけがき針でやればいいんだが、自他ともに認める不器用であり、人生でけがき作業が上手にできたことがない。定規を使ってるのに線がまっすぐ引けない事を笑われたことがある。普通の人はゆがまないでまっすぐ線が引けるんだって。

指先で勝負をするよりも機械に頼るべきだろう。メガスターの大平さんが前にツイッター
「けがきはcadの図面を紙に原寸で印刷したものを貼るのが一番早い」
という解説をしてて今回それを試してみた。

手元のプリンタはA4しかできないのでPDF化してコンビニで印刷した。コンビニのコピー機はA3(297*420mm)までだが作りたい部品は450mmなのではみ出てしまう。tan-1(297/420)≒35度。印刷しろが必要だが500mmまではいけそう。

さっそくCADで図面を書き、35度回転させたものをPDF出力、コンビニへダッシュして印刷した。印刷物を測定したら63mm間隔のはずが61mmしかない。多分2mmずれてても大丈夫なんだけどやっぱり気持ち悪いので修正した。

PDF化の影響か、PDFをプリンタが読み込んだ時の変換か、それともインクヘッドの送りなどの機械的なものか、多分全部だろう。3%縮小されるようである。103%に拡大して再度印刷した。
あまりのスペースについでに200mmの四角も書き込んだ。

 

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印刷物を確認したら今度は63mm間隔になっている。200mmの四角は測ったら195mmでやっぱり3%縮小されるようである。

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大平さんは方眼紙を印刷してモアレ法で印刷のゆがみを計測しプログラムで補正しているそうだ。僕の使っているCADソフトはそんな機能ないのでそこまではしない。加工の問題もあるので複雑なものは外注になるし。

これをカットしてダイソーで買ったはがせるノリに貼り付けてけがき作業は完了だ。