万事、塞翁が馬

人生の幸・不幸は予測しがたい。最後に立っていたやつが勝ちさ。京都で酒造ベンチャーをやっているよ。

セルフブランディングの時代

最近「起業したい」という人からの相談が多くて先週会っただけでも7人いる、
「すでにほかの商売をやってて酒もやりたい」
「今すぐにでも会社をやめたい」
「いつかやりたい」
「やってみたいとは思っていて、今はその情報収集だ」
と程度はまちまちだが、こちらの答えは

1.既にやってる人には「予算いくらですか?じゃあやりましょう」
2.それ以外には「youtuberになるといいよ」
だ。

1は既に商売をやってるんだから酒業界特有のルールを知ればどうという事はない。将棋やってるヤツがチェスを覚えるようなもので大体は一緒だ。
2は全部サラリーマンが脱サラしたいという話なので、初歩から覚えないといかんぞ、という話になる。

簿記についてとか法務とかは本読んで勉強すればよいが、何か月か何年かかけるべき話だ。その間でもやれることはHPを作ったり、SNSをやったり、youtubeにあげる動画を作ったりなど色々ある。これらは金がかからないし、ストックされるわけだから長くやっていた方が得で、すぐにでも始めるべきだ。

特にyoutubeが重要だ。Twitterfacebookは文字ベースなので文章が読める(普段から新聞や本を読んだりするやつ)しか相手がいない。「日本の識字率は5%だ」といわれている。文章の意味が取れるやつは非常に珍しい。動画は文章が読めない残りの95%にアプローチできる。インターネットを宣伝ツールにして売上を作りたいと思ってるならやるべき第一は動画だ。

動画配信はこの10年15年で本当に安くなった。2000年ごろはIT企業くらいしか動画配信はしてなかった。500円払ってニコニコ生放送をする生主が画期的だと言われた。今はもう企業も含めて動画配信にお金を払ったりしない。youtubeは広告が入るかわりにタダで使える。タダなんだからコスパ(パフォーマンス/コスト)は最強だ。

広告収入はチャンネル登録者数が増えないともらえないが、別に要らないじゃないかどうせはした金だ。それよりもyoutue社が金かけて作ったシステムがタダで使えるというメリットの方が大きい。

「起業したいならやるべきなのはyoutubeだよ!」
 そういうと「えー」みたいな反応が返ってくる。
「youtuberなんてやったって金になるのは一握りだし」
「はした金と引き換えに世間に顔さらすとかダサいし」
「そういうゆがんだ自己顕示欲を俺は持ってないし」
「匿名でいたい」
という感じの反応が返ってくる。そういう人は脱サラしない方がいい。
だって自分の商品がマスコミに注目されて新聞社がインタビューしたいとかTV局が情熱大陸に出ませんかって言ってきたら出るんだろ?
言われた瞬間は悩むかもしれないけど「マスコミの影響力で商品が爆売れ」って考えた瞬間に断るって選択肢はなくなるんだろ?だったら最初から顔だしすればいいじゃん。商売の規模が大きくなると人前に出るのは仕方なくなる。匿名でいたいなら起業するべきじゃない。

「自分は起業をしたいだけで、貯金の範囲でしかやらないし、1年で赤字で貯金ゼロになったら商売たたんで、サラリーマンやります」
っていうんなら別だけど、そんなヤツ一人もいないわけで、一発当てたいって思ってるなら顔を出すのは仕方ないよ。

それでもなお、現実は厳しく、起業の8割は5年以内に失敗すると言われている。失敗した時のためのプランBを用意しておかないといけない。

youtuberをやっている"オレ"

あの”オレ”がついに酒で起業したぜ
↓分岐
成功(プランA)・失敗(プランB)

プランBはもう一回別の酒を作るか、別のアイディアに行くか、再就職するかだが、「youtubeでプランAの途中経過や成果を公開してた」「酒で起業したことがある」という事実はプラスの要素になる。失敗をしたところで人生が終わるわけじゃない、第2ラウンドもあるんだ。

もちろん現職の伝手などで売上が見込め、youtubeなんて使わなくていいんだという人はいるだろう。そうでない人に対しては
youtubeやればいいじゃん。iPhoneのカメラいいらしいよ」
というのが僕の答えだ。