万事、塞翁が馬

人生の幸・不幸は予測しがたい。最後に立っていたやつが勝ちさ。京都で酒造ベンチャーをやっているよ。

マンパワーの限界

立ち上げの時期の忙しさに比べればだいぶ落ち着いてきたものの忙しい日々を過ごしている。一番忙しかった時期は1か月に450時間働いていた。それが半年近く続いた。それを経験して感覚がバカになってしまいどれだけ忙しくても
「あの頃よりはましだな。寝れてるし」
以外の感想が出てこなくなった。ちなみに労働基準法上の人間の過労死ラインは月300時間だ。
来週あたり2.3日夏休みを取る予定だ。9月に取る予定だったんだが夏のイベントとその準備と片付けと急に入った税務調査で伸びに伸びた。
睡眠と食事(と排泄)は機械で言えばメンテナンスで、メンテナンスを減らして連続稼働時間を増やすなんてのはバカのやることだ。機械なら使いつぶしても交換できるが人体はそうはいかない。

役所関係の書類にはどうしても締め切りがあるので無理してでもそれに間に合わさないといけないという事がたまにある。そういう場合は徹夜が続くこともあるが1か月ずっと続くということはここ2.3年ない。せいぜい2週間だ。
一時期に比べればどってことないが体力の衰えがあり徹夜がきつくなってきた。あまり徹夜をしたくないので去年・一昨年と(なんなら開業時点からずっと模索してきたんだが)コツコツと業務効率化をしているのだがどうも焼け石に水のようだ。抜本的にオペレーションを改めないといけない。

時間ないしマンパワーというのは限られたリソースだ。金は借りれば一時的に増やせるので急場をしのぐことができるが、マンパワーの不足は短期的な解決策はない。
人を雇うのは育てるのとセットで長期的には必要だと思うが短期的には役に立たない。外注も外注先を探すのが大変で、小さい仕事を与えて信用できるか品質はどうかチェックする必要がある。機械化は金がなー、機種選定が大変だしな―、業務フローも大きく変えないとダメだしな―。

1日は24時間で1年は365日だ。主に建設業界とかでは8時間労働を基準に「人間が8時間でできる労働量」を1人日と呼ぶ。1時間あたりで考えるときは人時とは呼ばないでマンアワーと呼ぶ(なぜだかは知らない)。1日6時間寝る必要があり食事その他に2時間取られるとして残りは1日16時間=2人日。365日あるので年間730人日が一人で働く理論上の限界だ。730人日なんてマンパワーとしては屁みたいなもんで、その少ないリソースをやりくりしても限界がある。

理論上は730人日/年が上限だが、これは487人時/月になる。実際に寝てる時間以外ずっと働いてるという状態に陥ったことがあるがその時は"1か月450時間"が限界だった。最終的には食事をする時間すら無くなってハチミツのボトルを口の上で逆さにして飲みながら書類を書いていた。月450人時=675人日/年が現実的な限界かな。

週一で休みを取るなら-100人日。盆と正月を休むとさらに-20。今はそれができるようになったので550人日/年=367人時/月くらいだと思う(休みの日に休んでるかというとそうでもないんだが)。多分、教師とか保育士とかくらいの労働時間じゃないかな。合理化の結果、過労死ラインが見えてきた。

抜本的な解決には発想の転換が必要で「一人で商売をしていくのだ」と割り切ってしまい、300マンアワー/月で無理なくできる商品設計でビジネスモデルを考える必要があるんだが、

「それを考える時間がない」

というのが現状である。