万事、塞翁が馬

人生の幸・不幸は予測しがたい。京都の酒造ベンチャー"FLFS"の「名目上の社長」こと姉崎亮太の平凡な日常の記録。

下町ボブスレーにたいする感想

報道の内容を整理すると

東京で町工場が多いものづくりの町として有名な蒲田の町工場が集まってボブスレーのソリを作り、オリンピックで使うことを条件にジャマイカのボブスレーチームにプレゼントしたがジャマイカのチームは「下町のソリは遅い」という理由でオリンピックでは使わないことを日本側に通達した。
下町側は怒って「契約違反だ。違約金はらえ。裁判だ」と言ってて、ジャマイカ側は「レギュレーション違反で安全性に問題がある不良品を押し付けてきた日本が契約違反だ。契約解除が当然だ」と言ってる(多分ジャマイカ側が正しい)。
マスコミにもたびたび取り上げられ、総理大臣と記念写真をし、オリンピックで活躍することを前提に道徳の教科書(物理じゃなくて?)にも載ったのに残念な結果になった。

ネット上では
「7000万も補助金をつかってこれだ。補助金に頼るものが上手くいくはずない」
「広告代理店主導のプロジェクトが上手くいくはずない」
「中小企業の”美談”を利用して好感度上げようとする自民党の政治家クソ」
「それに比べてラトビアのソリは6人で頑張っててえらい」
という意見が多かった。
それを見て「日本人は町工場でのものづくりがすごく好きなんだな」という感想を持った。怒ってる人たちも「日本の町工場は素晴らしい」って思ってるんだね。

僕の感想は
「7000万も補助金取ってくるなんて凄い!めっちゃ書類仕事がんばったんやな」
「マスコミや政府にこれだけ食い込むなんて凄い!広告代理店のPR力はさすが!」
「遅いソリしか作れなかった町工場ダサい。速ければ何の問題もなかった」
だったので
「経営陣は結果を出しているから優秀で、最大限の資金とPRによるバックアップを得てるのにぶっちぎった世界一の性能もオリンピッククラスの性能も出せなかった現場が弱い。」
「日本のものづくりは弱くなった。残念だ」
というものだ。

補助金はだいたいが「経費の一部(1/2とか2/3)を国が補助します」という制度だ。補助金が7000万ならプロジェクト全体の予算は最低でも1億から1.4億はあるってことだ。
「町工場には1円も出さないからボランティアで参加してくれ。宣伝にはなる」というプロジェクトだったそうなので開発費のうち人件費や設備利用料は町工場が(あるいはサービス残業で工員が)負担したはずだ。大学の協力も得ている。それらは合わせれば1千万とか全然超えるはずだ。
これだけのリソースをぶち込んで、できたのは遅いソリだった。

失敗の原因は可能性として
1.ソリ開発には1億とかじゃ足りない
2.経営陣は十分な予算を用意できたが、スタッフが開発に失敗した
の2つしか思いつかない。
ラトビアの経済水準から考えてラトビアの会社は1億も予算あると思えないので1の可能性はない。人材の差で負けたと考えるのが妥当だ。

たしかに東京でソリつくるっていうのはちょっと無理がある。実機でのテストを経て改良することを考えたら北海道とかラトビアとか向いてる所に住み込んでやるしかない。ただ中小企業のボランティアでそんなことできるかっていうと無理だろうね。

ホリエモンのロケットみたいにネットで人や資金を集めて、最強ボブスレーソリ製作プロジェクトができたら面白そうだ。
話題になってる今、航空関係の学生が立ち上げたら人も資金も集まるんじゃないかな?