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万事、塞翁が馬

人生の幸・不幸は予測しがたい。京都の酒造ベンチャー"FLFS"の「名目上の社長」こと姉崎亮太の平凡な日常の記録。

藤村靖之著 月3万円ビジネス

酒造ベンチャーの設立希望者の企業サポートという事業を始めた。


酒造免許は役所の書類を満たせば発行されるので誰でも取れるが、「モノを作る」のと「モノを売る」のはまったく別の話。採算が取れなきゃ始めてもすぐにつぶれてしまう。起業のサポートよりも起業後のサポートの方が重要だ。

参考になるのではないか、と思ったのが藤村靖之著「月3万円ビジネス」。著者はNPOの起業サポートをしてる人で「採算が取れない事をどう金に買えて暮らしていくか」というノウハウを提供している。

「1つのビジネスで3万円稼げるならそれを10個やれば30万円になるから暮らせる。一つ一つのビジネスに使う時間を月に1日か2日にできればそれができる」

その具体例と解説本。

実践してきただけあったそれなりに示唆は富んでいるが、著者は大学教授で学生時代は安保闘争にのめりこんでいたのだとか。この本全体にもそれはにじみ出てていて、原始共産制の助け合いによる村づくり・コミュニティ作り」「アンチ国家・大企業」という独自の思想があり、読んでいてかなり疲れる

そういう思想の部分を抜いて(おそらく著者が一番伝えたいのはそこなんだろうけど)、ビジネス上のノウハウだけを抜き出してみた。

1.潜在的な強い欲求に感動的な商品を提供する
商品開発の鉄則。「潜在的な強い欲求がある」「100人中3人以上が感動する」なら良い。

2.価値と価格は別
「感動的な」という部分が価値。需要と供給からマーケットが決めるのが価格。
価値が価格を上回っているなら値段が高くても買ってくれる人は見つかる。

3.参加型のビジネスモデルを作る
作り手と客ではなく、みんなで作る。逆に卸売りとネット販売はしない。理由は「関係性が薄くなる」から。
物質的豊かさでは大企業とスーパーコンビニで満たせる。そうでない部分、精神的・文化的な価値、人間同士のつながりに焦点を合わせる

4.開業の設備投資を極力小さくし、借金をしなくていいようにする
毎月の最低限必要な売上額を極力小さくする。経営の自由度になる。

5.営業経費をかけない
クチコミや広報活動によって知ってもらい来てもらう。自分からはいかない

6.小規模業者同志で集まりスケールメリットを作る

7.セルフビルド
金を払って業者に作ってもらうのではなく、無いものを自分たちで作る。そのスタイルは共感を呼び、参加者を増やす。

8.複業にする
複数の事業を同時に展開する。事業Aとシナジーのある事業Bを同時に行い、最低限の固定費で最大の効用を作る。

9.流行を追わない
価値がハッキリしているなら流行とは関係が無い。流行を追いかけるのは価値がぼやけているから

10.必要なのは5つ
①道具②材料③ノウハウ④仲間⑤きっかけ
どれか1つでも欠けてはダメ

11.楽しい活動を心がける
参加型のビジネスは楽しくないと人が集まらない。一番大事な価値は楽しいこと。

12.ワークショップを開く
売るよりも教える。みんなで作る。イベント型にしてしまうと収益化が簡単。なんせ労働力が集まるし、材料費くらい集まった人から集められる。出来上がった作品をその人たちに買ってもらう。と一石三鳥

13.小田舎で開業し、都会の人に売る
都会で開業すると家賃などのコストが高くなる。田舎での開業なら土地が余ってる人に借りれる。田舎の人を相手に商売をしようとしても人口が少ない分経営が難しい。田舎に維持費が極力少なくなる形で開業し、都会からお客さんに来てもらうモデルが良い。あまり田舎過ぎる(大田舎)だと人を呼ぶ面で不利になる。都会からアクセスしやすい程よい田舎(小田舎)が大事。

14.地元に仕事を発注する
田舎の人は現金収入の機会が少ないので小額で何かをしてもらえるケースが多い。現金収入につながる開業なら田舎の人たちの反対は少なくなる。