万事、塞翁が馬

人生の幸・不幸は予測しがたい。最後に立っていたやつが勝ちさ。京都で酒造ベンチャーをやっているよ。

新しい出会い系アプリを思いついた

心理学者の植木 理恵先生の本によると恋愛と友情は違うんだそうだ。

恋愛:異質性の発見
友情:同質性の発見

自分と似てる所が多いヤツほど友達になると楽しい。恋愛は逆で「自分と違う所に刺激を受ける事」なんだそうだ。


なので心理学的には
・相手の言動にイラっとする事が恋のはじまり
・相手の異質性を最初好きになって、知れば知るほど好きになっていくが、そのうち知らない部分がなくなる。その時に恋は終わる。
・終わらない恋は存在せず、自分と違うところを好きになって、昔好きだった自分と違うところが嫌いになって別れる
のだそうだ。

”だから自分と趣味の合う異性と付き合うと異質性が少ないからすぐに燃え尽きてしまう。恋人を探す時のコツは自分と正反対の人を探すこと” だってさ。

だったら、これを出会い系アプリに組み込めないもんだろうか?
異質性が多ければ多いほど恋愛の相手として魅力的で、異質性が少なければ少ないほど友達として魅力的だというのなら、好き嫌い2者択一の質問を30個くらい用意して回答の偏りを利用してマッチングさせたらどうだろうか?

恋人探しも友達探しもできるアプリ。

割といいアイディアだと思うんだ。誰か作ってくれないだろうか?だって、ほら僕忙しいから。

そんなに難しくないと思うし、なんせ恋愛は巨大市場だ。当たればでかいぞ。成功した時は飯でもおごってくれ。お肉が食べたいな。

妥協の産物

ベルニーニの彫刻の写真がSNSで回ってきた。
彫刻の中でもオッサンが女のケツさわってる部分だけを拡大した写真なんだけど、たっぷりと肉が付いているお尻に手を押し付けてるから指と指の間から柔らかいお肉がぷにゅーとなってるっていう写真。その質感をみんなが絶賛してた。
もちろんそれは大理石で出来てる。中世のヨーロッパに電動工具なんてない。
「ベルニーニが天才なのはわかるけど、すごい労力をかけてまで女のケツの柔らかさを表現したいか?」
とみんな思うらしい。

でもやっぱりベルニーニは天才で「マリア像が薄いベールを羽織ってるヤツ」とか写真で見てもぞっとする。
「妥協のない仕事ぶりってのはこういうものなんだな」って思う。

妥協しないことはいい事だとみんな軽々しく言いすぎだ。
天才が、最上の材料で、弟子いっぱい使って、何年もかけて1つのものを作る。それには膨大な金がかかるんだけどパトロンが全部出しちゃう。その環境があって初めて「妥協のない仕事」ができるわけだ。
(といってもその環境を用意されても仕上げないでほっぽりだすダ・ヴィンチみたいなヤツもいるわけだが。)

世の中にあるものはこういう一部の例外を除いて他は全部「妥協の産物」だ。
だって天才じゃないし、材料は予算が決まってるし、人手不足だし、何年もかけたりも出来ないしね。限られたリソースをもっとも効率よく使う。あきらめる所はあきらめて初めて商品が形になるわけだ。

「今の仕事をやめて妥協のないものづくりがしたい」
と口にするヤツがたまにいる。現実が見えてないだけだと思う(あえて現実を無視して無責任な事を言う遊びなんだろうけど)。
そういう考えのヤツはものにならないだろう。

僕はもっと上手に妥協したいと思ってる。本質的な部分じゃないところなら妥協できるはずなんだ。でも何が本質なのかよくわからないから「とりあえず手をかけとく」という事をしている。

妥協と無縁になることは一生ないだろう。それは受け入れてる。
だってベルニーニの彫刻を見て
「どんな環境を用意されてもオレこんな仕事できねぇ」
って思ったもん。

オリエンタルラジオのPerfect Human面白いよね

「勉強になるなぁ」と思いながら歌詞を読んだ。よく出来てる。やっぱり芸人さんというのは日本語がとても上手だ。

冒頭からいきなり仕掛ける。

彼は言った世界は必ずしもみんな平等とは限らない
彼は言った世の中には絶対勝者と敗者が存在する
彼は言ったその勝者の頂点が自分自身そう Top of the world

この部分は「彼は言った」がポイントだ。多くの人が「世の中は勝ち組と負け組がいる不平等なものだ」と思ってるので「彼は言った」がなければ「そうですか」で終わってしまう内容だ。
「彼は言った」をつける事でありふれた言葉なのに、むしろありふれた言葉だからこそ「その彼ってのはオレと同じことを思ってるんだ」と共感を作っている。
偉大な彼+ありふれた言葉=世界の真実という方程式。
3行目の "自分自身そう Top of the world" をきっかけに話の内容が「世の中」から「彼」に変わる。
その彼ことタイトルのPerfect Humanでそれがアっちゃんだというのがオチなわけだ。

彼が法であり秩序保たれる
すぐさまなくなる世界のWar
時は来た彼こそ真の支配者
彼の前にひざまずくのは敗者
感謝の言葉 彼に乱射
賢者 識者 かけろ拍車
民共崇める準備はいいか?
自分を高める運気欲しいか?
さあみんな手を天にかかげ
そして今こそ祈れ

恐れるな おののくな
吠えろ(hey) 声あげろ(ho)
その血と魂を今ささげろ

このへんはゴーガルデンの危機神学みたいで面白いが、笑いの方程式としては歌詞の内容はどうでもいい。「Perfect Humanはアっちゃんだ」というオチをいつまで引っ張れるかがテーマだ。特に曲をスローダウンさせるのが上手い。

"I’m a perfect human."
na,ka,ta nakata
まさかの自己紹介。「世界の頂点お前かい!」オチが伝わって、上手に引っ張った分、大きな笑いを作る。

ここからは小ボケを入れていく。盛り上がってるからボケが小さくてもウケる。

"I’m a perfect human."
で、なぜか小首かしげる
We live in Tokyo.
突然の東京在住の宣言
Say天才!(天才!)
まさに天災!(天災!)
天災じゃダメじゃん!
そんなに褒めるのやめてくれよ
ペコペコすんなよおいナポレオン
ナポレオン死後「おい」って言われたの初じゃないか?

もっともっと叫べー!
恐れるな おののくな
吠えろ 声あげろ

ここでオーディエンスに参加を促して、最終的にはナカタナカタの大合唱。
"I’m a perfect human."で小首をかしげるたびにみんなが笑う。
これは勝俣州和が欽ちゃんに教わった笑いの奥義と同じものだ。
「会場を大盛り上がりにして、ちょっとした事でドカンドカン受けるような状況を作ってしまえば勝ち。その状態を作れるかどうかが勝負なんだ」

オーディエンスを煽るのは笑いの技として非常に珍しい。これで会場の大盛り上がりを作る。
"I’m a perfect human."で小首をかしげるたびに、たったそれだけの事でみんなが笑う。逆に言うと最初の"I’m a perfect human."から毎回小首かしげてるのはここのためのフリだ

緻密な計算、ラップやダンスを含めた高度な技術、それらをついやして作るのは欽ちゃん的な演芸空間。盛り上げれば勝ちは普遍的な真実なんだな、と再確認。
色々と感心しっぱなしだった。

*中学生でもわかるような英語だけしか使わないのも偉いよね。「みんながわかるようなことじゃないとしちゃダメ」っていう縛りはさすがTVタレントだなって思った。

最近読んだ本 「すごい会議」 名著

すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる! | 大橋 禅太郎 | 本 | Amazon.co.jp

を読んだ。

評価:名著 10年たっているが内容がまったく古びていない。こんなに素晴らしいものが10年も経っているのに「なぜ普及しないのか」と驚くくらい。

評価内容
真理は具体的である」抽象的な一般論だけで何かを語っても現実にはまったく影響しない。知見を誰にでも仕える具体的なノウハウの形に落とし込むのが教科書の条件である。

知見が素晴らしい、具体的ノウハウになっている、それが誰にでも伝わる構成になっている、短時間で読める、日常的に実践可能である、

の以上5点を満たしているので評価は「名著」

内容

著者がアメリカでベンチャー企業経営に行き詰まった時に出会ったミーティングコーチに習った会議のやり方をマニュアル化したもの。

会社が行き詰るというのはどういう事かというところから書いている(自分の会社を例として出しているのが珍しい)。

世の中の問題は2つある。「個人が頑張ればどうにかなる問題」と「個人が頑張ってもどうにもならない問題」だ。後者は組織的に対応しなければいけない。

組織的な対応ってのは何か?

現状がどういう状態なのかを経営陣全員が共有する。現状を打破する対策を決定する。それが効率的に行える組織改変を行う。具体的なスケジュールにする。

「それはコアメンバーを集めてシステマチックな会議を行えばできるんだ。そのやり方はこうだよ」

という内容の本。

うちの会社は2人だけだし今のところ僕個人が頑張ればどうにかなる範囲に収まっているので今すぐウチに必要というものではなかった。ただこのノウハウを必要としてる会社は何件も思い浮かんだ。

この間別の会社の社長さんと飲んだときに「親から会社継いだんだが、部下がみんな年上で困ったものだ」という話を聞いた。
「部下になめられる。指示どうりに動かない」
「経営傾いてて、部下とその家族の生活のために頑張ってるのに」
「役立たずばっかりなんだ」

その時は「そうですか大変ですね」と答えたんだけど、今度会った時にはこの本を薦めてみようと思う。

自分の組織を「メンバー全員がやるべきことを把握していて自発的に行動する組織」にしたい人は一読をオススメする(「そんな組織じゃないけど別にかまわないよ」って人は読む必要はない)。

銀河英雄伝説が大好き

ヤングジャンプ銀英伝のコミカライズをやってて、これが実に素晴らしい出来で毎週楽しみにしてる。キングダムやゴールデンカムイも大好きだし、他にも連載を追いかけてるマンガはあるんだけど今は銀英伝が一番のブームかな。

漫画家のアレンジが実に素晴らしいのは間違いない。ただ、10代のときに原作を読んでいるので思い出補正がかなりかかっているのも間違いない。

登場人物でいえばもちろんヤンが一番好きで心の師匠の1人だけれど、でも一番印象に残ってるシーンはラインハルトのものだったりする。

国境の一部で偶発的な小さい戦闘が起きて帝国が敗北した。そこの責任者がライハルトに敗北の報告と自分への処罰をもとめて連絡をとった。そのときライハルトは
「そんなこといちいち報告するな。100回戦って100回勝てるわけないだろう」
と答えて何の処罰もしなかった。

この部分を読んだときに「大人の世界のリアリティ」ってのを感じたのをよく覚えている。

良かれと思ってやったことが上手くいかないこと、裏目に出ることはあるものだ。
人に頼んだ仕事が間違って伝わってトンチンカンになってたり、思いがけないトラブルになってたり。そういう時は

「100回戦って100回勝てるわけないよな」

と自分に言い聞かせて、受け入れて働くのが大人の世界の現実だよね。

自営業のノウハウ

ホリエモンはよく「サラリーマン経験なんてムダ。むしろ有害。さっさと起業しろ」と言っている。

これに僕は同意する。起業するかサラリーマンかは人生のどこかで選ぶべきで、起業を選んだらなるべく早く起業するべきだと思っている。
理由は簡単で、大企業で必要な仕事のノウハウと自営業や中小企業で必要なノウハウは異なるからだ。

1.起業するなら若い方が有利だ
2.自営業のノウハウって具体的にはどんなの?

続きを読む

業務スーパーの冷凍チーズケーキ

業務スーパーのファンの人の間では常識らしいんだけど、豆腐の容器に入ってることで有名な冷凍の"リッチチーズケーキ"が美味しい。最近よく食べてる。

前からあるのは知ってはいた。ただ安いけど量があるから1人では食べきれないし解凍後に再冷凍も嫌だしと思って避けてた。でもなんか気まぐれに買ってしまって、それ以後ずっと食べてるという感じ。

ノーマルとチョコの両方を買って、凍ったまま包丁で5等分にし、ラップにくるんで冷凍している。暖かいところに1時間も置いとけば解凍できるし、ラップをむいてそのまま手で食べれるから皿や箸もいらない。深夜に書類仕事してるときなんかにカロリーメイト感覚で食べてる。

500g入ってて300円だから5等分すれば1本100gで60円。安いし美味しいし乳製品だから栄養あるし冷凍だから日持ちするしと便利なので毎日のように食べている。

少人数で仕事してるとちょっとした事で「作業が深夜まで及ぶ」とか「徹夜」なんて状態になる。そういう時は日中も忙しいから買い物とか行かないし、お腹減るととても困る。

そんな時に夜食があるかどうかって結構大事。ご大層な「ビジネスモデル」やら「ビジネススキル」なんかよりよっぽど、こういう「お腹すいた時にお菓子があるかどうか」の方が作業効率が上がる。

「腹が減っては戦はできぬ」って格言はまったくその通り。睡眠と食事と息抜きがあるのは労働の前提で、戦略がどうとかよりよっぽど大事。というのがベンチャー社長のリアル。